他人を褒める by 浅生鴨
大人になるとなかなか褒めてもらえない。でも、だからといって、大人になってからこうした自尊感情が育たないかといえば、そんなこともない。
他人を褒めるためには自分の中にある種の規範や基準が必要だから、他人を褒めていると、そうした基準が自分の中でしだいに育ち、そして、それがやがて自尊心につながっていく。
たしかにそうだな、と思う。
人は他者との関係の中で生きているから、他者をしっかり認めることは、自分自身を認めることにつながってる。それはちょうど塗り絵のようなもので、まわりをすべて塗れば、何も塗っていない部分だって、やがて白としてはっきりと浮かび上がってくる。自分が浮かび上がってくる。僕はそんなふうに考えている。
おしゃれなたとえだなあ。